イマジナリーマツコ・デラックス
私は30歳の時寝たきり廃人状態だったのだが、その時にイマジナリーフレンドがいた。
同年代の女性と、同年代の男性、そしてマツコ・デラックスだ。
何故マツコ・デラックスなのかというと、マツコが好きだったからという理由と、
キャラクターが強烈なので脳内で再現しやすかったのではないかと思っている。
イマジナリーフレンド(以下イマフレ)達とは毎日おしゃべりをし、長い時だと12時間ぶっとおしでしゃべり続ける時もあった。
しかし、さすがにこの状況はまずいと思い(統合失調症なのでは?)
行きつけの精神科で相談してみた。すると、
「イマフレたちは君を守るために現れたものだと思うから、そんなに怖がらなくていいよ。ただ、イマフレ達が君を攻撃するようになったらまた相談してね」
と言われた。
すっかり安心した私は連日マツコ達とおしゃべりをした。
今日の天気からタイのLGBTの精神性まで、さまざまなテーマでしゃべりつくした。
マツコ達は姿こそ見えないが、ちゃんと存在を感じるのである。
声も、耳から音を拾う感覚ではなく、脳内に直接語り掛けるような感じ。(ファミチキください)
なんと体臭まで感じるのだ。
同年代の女性のイマフレに関しては、実家の様子や家族構成、生い立ちや性癖まで
こと細かく知っているのである。
しかし、そんなイマフレ達との楽しい生活は長くは続かなかった。
社会復帰が進むにつれてイマフレ達が出てこなくなったのだ。
「君を守る存在なんだよ…」精神科ドクターの言葉を思い出した。
もうイマフレ達に守られなくても大丈夫なくらい回復した私は
マツコをテレビで見かけるたび手を合わせて感謝をしている。
守ってくれてありがとう。私は彼女をマツコ神と呼んでいる。